麻生総理大臣は施政方針演説で、新しい日本を創るために「この国のかたち」を変える節目にあります。私たちは、この二世紀の間に、二度の危機的状況を経験しました。一度目は、開国と明治維新、二度目は、敗戦と戦後改革です。三度目は、今変革を迫られています。それは、急速な少子高齢化、社会の新たな格差や資源や環境の制約です。この時代にそぐわなくなった社会のシステム。これらを乗り越えて、私たちが自らの生き方を選び「この国のかたち」を創ります。目指すべきは、「安心と活力ある社会」です。 世界が同時に、かってない不況に入りつつあります。日本もまた、この不況から逃れることは出来ません。しかし、大胆な対策を打つことで、この不況から早く脱出することは出来ます。それは、第一、第二補正予算に続き平成二十一年度予算を成立させ切れ目のない予算の執行が必要です。 定額給付金問題が色々議論の的になっていますが、新聞などの世論調査では今回の定額給付金を好ましくないと応えている人が70パーセントで、決まれば受け取ると言う人が80パーセントである。これが本音と建て前の実態であろう。2兆円もの公費を投入するからには最大に有効に活用されなければならない。定額給付金は受け取った人が消費に当てようが貯蓄に回そうが本人の自由である。だから、これがどこまで消費につながるか景気浮揚に役立つかは、ふたを開けなければわからない。いたずらに議論を長引かせることは、「政策より政局」「国の明日より自らの党の明日」を優先させている結果である。 景気対策の必要性を叫びながら定額給付金に反対することで、景気立て直し策を盛り込んだ補正予算の成立を遅らせることになっているのは本末転倒である。今必要なのは補正予算関連法案を早く成立させ、定額給付金を国民に迅速に渡すことである。その場合、反対の人も賛成の人も全ての人が受け取った上で、反対の人は公の施設、地方公共団体、民間団体(NPO,NGO)等に寄付すれば良いのではないか。どのような政策でも国民の全てが賛成と言うことはあり得ない。細かいことに時間を費やすことよりも、この「日本の将来をどうするか」について真剣に議論をして貰いたいものである。 |