終盤国会(会期末6月15日)になり後期高齢者医療制度を争点として混沌とした政治情勢が続いている。平成18年度医療制度抜本改革の柱として今年の4月からスタートした後期高齢者医療制度は、75歳以上を「後期」という言葉で区別したことや、保険料を少ない年金の中から天引きしたことに高齢者の不満が噴出し、厚生労働省への批判も大きくなっている。これに対し、野党4党は5月23日後期高齢者医療制度廃止法案を参議院へ提出し、福田政権への対決姿勢を強めている。しかし、参議院で第一党の民主党は、今国会での福田首相に対する問責決議案を提出するかどうか決めていない現状である。政府与党では福田内閣の支持率が20パーセントを切る状態では解散を回避しようとの空気が蔓延している。このため、民主党が首相問責決議案を参議院で提出しても首相は退陣や解散・総選挙に追い込むことには出来ないであろうという民主党内の議論もあるようである。 後期高齢者医療制度について民主党内には与野党攻防の最近の例では、山口補選を見ても解るとおり野党が論戦で自民党より優位な支持を得てきたのであるから当然参議院で福田内閣に対し問責決議は出すべきである。という主戦論を唱える議員も少なくない。民主党の梁瀬参院国対委員長も「参院で可決した廃止案」に衆院で与党がどのように出てくるか非常に緊張感が高まる状況も想定される。と述べ問責に含みを残している。 こうした政治的駆け引きの中、2回目の保険料を年金から天引き徴収する6月13日が迫っている。1日も早く国保保険料・税と後期高齢者医療制度に加入後の保険料負担を比較する為の資料を国民に知らせて、基礎年金だけの低所得層には基礎年金の満額に相当する79万円以下は天引きを免除する事ぐらいは考えるべきである。 |