昨年は日本全国異常気象による大きな災害があり、いまなお、その苦しみに耐えておられる方々に心からお見舞い申しあげます。今年は災害のない年でありますことを年頭に当たりお祈りしております。 政府は、平成17年度予算案を、去る12月25日閣議決定した。その予算案は、国民に負担増を求め、財政再建路線に一歩踏み出した。だが、景気失速を招けば元も子もなくなる。06年1月から個人所得課税の定率減税は半減され、年金保険料や雇用保険料の引き上げも相次ぐ。所得税や法人税など基幹税の増税も9年ぶりに引き上げられる。 政策的経費である一般歳出は04年当初予算と比べ0.7%減の47兆2829億円で02年度以来3年ぶりに前年度を下回った。一般会計の総額も0.1%増の82兆1829億円と4年連続で緊縮型を堅持している。税収増や定率減税の縮小等国民負担の拡大で国債の新規発行を4年ぶりに減額した。しかし、国債残高は過去最悪の538兆まで膨れ上がった。財政再建の道筋はなかなか見えない。累積した国債の元利払いにあてる国債費が5.0%増の18兆4422億円と膨張したため、財政の硬直化が一段と進んできた。 歳入では、景気回復や増税路線への転換で税収を44兆70億円と見込む。国債の新規発行は34兆3900億円で歳入にしめる国債の比率は41.8%である。三位一体改革では、05年分としては国から地方自治体への補助金を1兆4250億円削り、1兆1160億円を税源移譲する。税源移譲の対象となったのは文部科学省が所管する義務教育費4,250億円や国民健康保険の国庫負担5,449億円など7省の36事業である。 |