今年度予算が3月27日に成立したが、新聞には大きくは取り上げられていない。どの新聞も社民党の辻元議員の秘書給与問題と引責辞任の記事であった。週刊誌にも国会議員の不祥事をとりあげると売上が上がると言う話もあるぐらいである。勿論悪いことは正すことに賛成であるが、こうしたことが起こるのは、議員のモラルの問題なのか、制度の問題なのかよく考えて、分けて議論すべきである。角を矯めて牛を殺すことのないようしてもらいたい。
先日の「NHK日曜討論」総理に問う、の中で小泉首相は政治とカネをめぐる問題で「あっせん利得罪問題、公共事業受注企業の政治献金のあり方、秘書の定義」について、一歩踏み込んだ法的な対応が必要であると言った。そのため今国会で成立できるよう、与党側に求めているとも発言された。これはかなり大きな改革であり今後の推移に注目したい。また、政と官の問題についても、英国のように一部の議員だけ官僚と接触して他の議員は接触できないとなると、官僚が独善になり国民の声が政治に反映しないことになるので「羮に懲りてなますを吹く」ことにならないよう考えてもらいたい。無論、国会議員は地元の多種多様な陳情、請願、要望等を受けて処理するのも仕事の一部分である。官僚と勉強したり議論することを禁止することは、今の日本では非常に難しい問題ではないかと思う。抜本的な制度改革とのセットならともかく、うわべだけの改革は避けるべきではないか。