自衛隊に国際的なテロ撲滅のために行動する米軍の後方支援や難民支援を行わせる事を内容とするテロ対策特別措置法が10月18日に衆議院を通過し、10月26日に参議院で可決され成立致しました。審議時間が短く、野党との連携も視野に入れての国会審議でしたが、最終的には全野党が反対することになりました。アメリカでは、この非常事態に与野党を超えて対処していることを見ると、日本の野党はいかにも対岸の火事的な対応に思えます。「政府解釈で集団的自衛権を認める」とか、「日本が戦争に巻き込まれる」等様々な議論が有りましたが、結論的には、現在戦闘状態である以上のんびりと審議している状態ではないことは明白で、スピードが大切なのです。有事にならないと何も論議できない日本の短所が顕著に現れていますが、戦後初めて自衛隊を海外に派遣することを認めた今回の措置は、内容的にもスピード的にも海外から評価される内容であると思われます。ただ、シビリアンコントロールの観点から言えば、国会の事前承認は認めるのが最善ではないかと思われますが、その様な時間が無い場合もあり今回は時限立法であるため止むを得ません。今後は過去の轍を踏まないように国会がしっかりと監視していく必要があり、このような非常事態を想定した様々な議論(有事法制など)が必要であると痛感しています。