去る9月27日から臨時国会が始まった。冒頭に行われた小泉首相の所信表明演 説の中で、最初に米国において発生した同時多発テロに対して、「我が国も米国及び
世界の国々と力を合わせて、毅然たる決意で闘う」と述べている。その為に武力行使 は出来ないが、自衛隊が米軍などの後方支援をできるよう新しい立法を検討してい
る。また先に、小泉総理も自民党もテロに関する緊急声明を出しているので、取り急ぎ 国会としては、立法措置をしなければならない。これと平行して重大な問題は、日本
経済が今世界的な経済変動の荒波の真っ直中にあり、これを乗り切る手だてを早急に 立てなければならないと言うことである。10月中には経済の活性化や新産業の創出
につながる制度改革、雇用対策、中小企業対策等に取り組んで改革を進める予定であ るが、完全失業率が5パーセントと2ヶ月連続の最悪の水準が続いている情勢が更に
悪化するということになると、日本経済は破綻するとの見方もある。厳しい経済状況 の中、8割近い経営者が小泉内閣の改革路線を支持している。しかも、7割の経営者
は改革に伴う「痛み」に耐える覚悟ができているという。この時期にこそ国会議員 は与野党の立場を乗り越えて、世界のテロ対策と共に国民経済の安定を図るべきであ
る。具体的かつ迅速な対応が望まれる。